風吹くままに飄々と流れ行く雲の如く。
「そんな風になれたら」と、作者お気に入りの逸品です。
素材
本体 栗
敷板 桜
落し FRP
36cm x 63cm x 32cm, 作品重量5.1kg
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作家プロフィール
 華生(カショウ)
「木魂花器」の制作
素材のこと
流木、埋没根、朽木、生木、などを材料としますが、現在300点程あるほとんどが、山間に埋没し、朽ち果てた根の部分です。枯株になってから幾十年も経っているので、プロの眼をもってしても,その木の種類を判別出来ないのも少なくありません。其々の木の個性を重視しているので、「銘木」とゆうランクを敢えて無視するようにしていますが、やはり硬く、色艶の輝きの良いものは、少し価格が高くなります。内に秘める真価値は、磨きあげるまで解らないのが事実です。
作業工程
仕事の始まりは、先ず、邪念を払い心を清明にして彼らに語りかけること。或る瞬間、突然その木の完成イメ−ジが観えて、喜びにみたされます。心曇るとき、全くその姿は浮かび湧がりません。そんな時が一番苦しい時です。先ず、イメ−ジに添って、チエンソ−で大まかな完成図に整えます。次に、ワイヤ−ブラシで腐ったところ虫食い等を削り取り、芯の硬い部分だけを表出します。100点以上ある工具のうちから、電動、エア−の回転工具を用いて、荒目〜細目へと研磨して、最後に300番〜400番のペ−パ−で仕上げ、細部にいたる掃除を終えて、研磨終了です。仕上げのお化粧、後の保存の為オイルフイニシュを塗布し、ふき取り、バフで研磨することにより、生木にはない重厚な色艶と、侘び寂びの風格をかもし出す「花器」が再生します。ものによっては、2点3点組み合わせることによって、調和した合一を演出しております。最後に「命銘」することにより「根っこ」が復活します。
「華生」は、上の華を生かすと、号しております。
1941年 第二次世界大戦のはじまる1月15日成人の日に、兵庫、西端の地に生まれる。
1970年頃 「木」の声を聞き「木魂花器」第一作目をつくる。出来の悪い息子、母にはじめて褒められ、その作品に自信をもつ。その後、様々な流転のうちにも趣味で「花器」を創り続け、全て買い手が付きプロになるまで2〜300点世に出たとおもいます。
2004年 ついに念願の木工芸職人として決起す。特殊な人跡未踏の道であるが故に、かなりの困難が予想できたが、困難であるが故に、「望むところ」と武者震いして挑戦しております。
2006年吉日 必ずこの道を拓き、後続者が育つように奮い立っております。「木」の生命の造形美は、到底人の及ぶところではありません。私は唯、彼らの素晴らしさを見い出し、最も価値ある姿を引き出すだけの役目かとおもいます。本当の作者は自然の「いのち」であり、その美を後世にまで伝えることが使命です。
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