竹と和紙ででき、内側に折り畳んで、開閉ができる緻密な和傘(番傘等)。鎌倉時代に作られ始め、江戸元禄時代庶民に広まりました。日本の文化である和傘(番傘等)の美しさすばらしさをどうぞお楽しみ下さい。 参考
:「和傘ができるまで」
1.和傘(番傘等)の持ち方
頭のほうを握るように持つか、蛇の目傘なら頭についている紐を、番傘なら頭に止めてある革紐をお持ちください。洋傘のように持ち手の方を持って逆さまにすると和傘は開いてしまいます。
2.和傘(番傘等)の耐用年数
和傘(番傘等)は竹と和紙と糸で作られています。閉じている時は竹筒の形に戻るため、意外と丈夫です。でも、開いた時の和傘(番傘等)は、薄く裂いた骨を糸で繋ぎ(つなぎ)和紙を張ってあるので丈夫ではありません。大切に取り扱ってください。保存状態がよければ、20年前の傘でも使用できることもあります。しかし、雨傘は防水のために油引きをするため、油による硬化作用の影響で、使用するしないにかかわらず、年数が経てば和紙の劣化はさけられません。パリパリと破れてしまうような状態なら、もうすでに和紙の寿命(生)はなくなっていますので、新しい傘にお取替えください。なお、日傘など油の引いてない傘は、雨傘に比べ和紙の寿命は数倍あるため長持ちいたします。
3. 和傘(番傘等)の手入れ
買ったばかりの状態で、締輪も外さず大事にしまい込んでしまうと、傘の寿命を短くしてしまいます。締輪をはずし、傘をゆるめて、風通しのよい所に吊るして置いてください。
雨の日に使用した後は、水切りをした後に、出来ればタオルなどで水気をふき取り、傘を中開き、または全開し、日陰に干してください。乾いたら傘はゆるめに閉じ、風通しのよいところに吊るして置いてください。
4.和傘(番傘等)の修理
張替えをする為には、まず、繋ぎ(つなぎ)糸が切れていない事、骨が折れていない事が前提となります。その上で、漆・和紙・糊を、骨に傷をつけないようきれいに剥がし、やっと張替えにかかります。この剥がす作業がとても大変で手間がかかり、人件費用が高くつく為、通常は新しい傘を購入していただくほうが安価です。ただし、どうしても修理して残しておかなければならないような傘の場合はご購入された傘屋さんへご相談ください。
和紙が破れた場合、破れた大きさ、場所、状態によって異なります。膏薬を張るように直す方法から、一間張り直しの方法まで色々ありますが、和紙の種類や色を合せることは不可能です。ただ、お問い合わせの多くは、紙の寿命(生)がすでになく、修理されるより購入されたほうがよいと思われる場合が多いです。
骨が折れている時は修理不可能です。新しい傘をご購入ください。
傘は開くが、止具が引っ込んでしまい、傘が閉じてしまう。 ハジキが不良です。修理は可能です。基本的には、購入された傘屋さんへ修理に出して下さい。
柄が抜けてしまった。グラグラしている。折れてしまった。和傘(番傘等)は、頭轆轤(ロクロ)の所で柄と止め付けています。強い衝撃がかかったことで止め釘が外れ、柄が抜けたりグラグラしたりします。柄竹を取り替える修理は可能です。購入された傘屋さんへ修理に出して下さい。 |