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飾屋しろがねは、桜を最も大切な物にしております。
なぜなら、自分が考える「美」の基本が花であり、その中でも特に「桜」こそ、目指すべき「美」を内包しているのです。 蕾のすがたでも、満開の姿でも、桜吹雪の姿でも、見る者の心をこれだけ華やがせる花は無いと思います。
飾り物、身を飾る装身具も、そうでなくてはなりません。飾屋しろがねは、身に付けた人の心に訴える装身具、それこそが、その人を一層美しく、または格好良く見せる物だと考えているのです。その目指すべき目標として、桜があるのです。正に、桜の花言葉である「優れた美」を、飾り物を通して、身に付けて頂く方々にお伝えしたいからです。
それと同時に桜とは、「日本人の伝統的美意識」の根底を表現する物だとも思うからです。
桜が美しいのは、満開時だけではありません。たった10日前後、精一杯綺麗な花を咲かせるために、あとの350日はじっと力を蓄えていて、さらに枯れることなく、美しい花のまま一息に、しかもその散る姿までも、一番美しい時を人々に焼き付けて逝くからです。そこにこそ、桜の真価があると考えています。
それはつまり、「気高い姿勢」だと思うのです。この「気高さ」が、日本人が培ってきてた、伝統的な「精神的姿勢」なのだと思います。平安時代より、特に武家に愛好されてきた理由がそこにあるのです。武士として、日本男児の生き様として、日々の弛まぬ精進と引き際の潔さ。そして、今の日本から久しく失われてしまったものでもありましょう。
飾屋として、私が創る物がそうでなくてはならない、という、自分自身に対する戒めとして、また、お客様にとっては、前述の様なものであってほしいという願い。その意味を込めて、「桜」はとても大切なものなのです。 |