旧暦の11月は「霜月(しもつき)」と呼ばれます。「霜月」は、そのまま文字通り霜が降る月の意味です。別称では、神帰月(しんきづき)雪待月(ゆきまちづき)等があります。11月は3日に文化の日、23日に勤労感謝の日等がありますが、今回は15日の七五三についてお話したいと思います。
七五三は11月15日に、男子が3歳と5歳、女子が3歳と7歳の時に神社に参詣して、健やかな成長を祈る行事です。昔は、栄養不足などで、乳幼児の死亡率が高く無事に大人になるか心配されていたので、7歳になると、一人前として認められそれを祝ったとされます。
元は、11月の吉日を選んで七五三の行事が行われていましたが、明治以降、11月15日に定着しました。それは、旧暦の15日は、かつて日の吉凶を占う方式では、何事をするにも吉であるとされた日で、それが新暦になっても、そのまま使われたから、あるいは、江戸時代の中頃、三代将軍家光が、後の五代将軍綱吉の病弱を心配し、無事成長を祈る儀式を執り行ったのが11月15日だったからとも言われています。
しかし、現在では元に戻り、11月15日にこだわらずに、11月中のいずれかの都合の良い日に行なうことが多くなっています。以前は11月15日に、お宮参りをし、写真スタジオで家族の記念写真を撮り、祖父母とともに食事会をし、七五三を祝う習慣になっていましたが、最近では別々の日にこれらを行ったり、核家族化から食事会をしなくなったりなど、習慣も変わりつつあります。
また、七五三では、千歳飴(ちとせあめ)を食べてお祝いします。江戸時代の元禄の頃、江戸の浅草寺で、平野甚右衛門という飴売りが、縁起のよい名前「千年飴」「寿命糖」と名付け、鶴亀・松竹梅をあしらった図柄の長い袋に入れて飴を売り出したのが始まりと言われています。現代でも写真スタジオやホテルが色々な七五三の販促活動を行っていますが、この時代にも七五三で販促活動をしている人がいたのですね。 |