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手織りに携わってかれこれ14年になります。まだまだ日々修行の毎日ですが、最近やっと私の織り機が言う事を聞いてくれるようになりました。機織り機で作品を作っています、と言うと、大抵の人が日本昔話の、「鶴の恩返しのあれ?」なんて聞きます。そうです、鶴の恩返しのあれ、です。
鶴は毎晩自分の羽をむしり、その姿を決して人には見せずに美しい反物を織り上げます。まさかそんな訳にはいきませんが、あまり作っている姿を見られたくない、というのは鶴との共通点であるかもしれません。出来上がった物が美しいものであればあるほど、現場は戦場です。孤独と、腰痛に悩まされながら日々、織り機を操るのです。
日本の伝統工芸のひとつである、「織り」という技法を守りながら新たな一面を作品で見せて行く…。そんな作品が作れたらと常日頃考えています。テキスタイルは日進月歩の世界ですが、手織りという大量生産がほぼできない分野で青嵐堂だけのオリジナルの生地を織り、形にして行く…。そしてその作品に惚れ込んで頂ける方に巡り会いたいといつも思っています。
旅行が趣味で、南の島からヨーロッパ、アジアと様々な国の文化に触れるのが好きです。最近は本国、日本にも和柄のルーツをたどったり、様々な生地を求める旅にも出るようになりました。また、世界各国の古代の人が織り上げた生地が展示されるような美術展にも必ず足を運びます。織り間違いを発見したりすると、古代の人の自分と同じ人間らしさを垣間見る瞬間を楽しく感じます。
色々なものを見て、感じる事こそが私の作品作りの源になっているのでしょう。時にはイメージ通りの色糸に出会えなければ糸から染色することもあります。市場に出回る大量生産の製品にはありえないような織り方を考え、糸同士の交差による美しい風合いを表現しようと、そんな気持ちをこめて今日もギッタンバッタン織り機を踏んでいます。
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