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和傘は日本人が世界に誇る民族文化です。日本人は竹と和紙を使用した色々な民具を育ててきました。扇子・団扇・堤燈そして和傘。どれも竹の骨組みと和紙の融合により作り出される優美な民具ばかりです。これのルーツはどれも中国なのでしょうが、ごく自然に日本的美意識による改良が繰り返された結果、原産地の品々とはひと味ちがう姿に成長したのだと思われます。和傘のことをから傘(唐傘)と呼ぶ人もあります。唐傘は中国の傘の意でなく、開け閉めが自由にできるカラクリ細工の傘の略称だとも言われます。平安絵巻に見られる傘(蓋)は貴人に差しかける、開いたままの傘で閉じることが出来なかったのですが、それが進化して現在の複雑な構造が出来あがったもので、往時の人々が(カラクリ)と思ったのも不思議ではありません。現存する竹製品の内、和傘の骨組みのように複雑なものは他に見出すことは出来ません。その仕組みだけでなく、傘を閉じた時の美しさを追求し続けた先人の努力には頭 が下がります。洋傘と比べて骨の数が数倍もあり、そのうえ張った紙を内側に畳み込むのです。そして閉じた傘の形を最初に割った竹の姿に戻すように細心の注意を払います。できあがった傘は竹林の中に育っている真竹のように滑らかで、気品のある姿が理想とされてきました。和傘のできるまで楮、真竹、チシャの木、数種類の植物油、カシュー、柿渋、タピオカなど、数々の天然素材は、十数人の熟練職人の手を経て、数カ月をかけて傘に仕上げられます。その行程は数ある工芸品の中でも複雑を極め、大工程に分けても9つ、中工程では50以上、全工程では100を越えます。その中でも特に重要とみなされるのが、骨削り、張り、仕上げです。骨師は、傘の姿が自然に生えている竹のようになるように、後から張られる紙と糸とが骨の間に入ることを計算して、一本の骨に太い細いをつけて削ります。一本の竹が印をつけた後に数十本に削られ、削られた 後にもとの順番にそろえ直されます。張り師は、ただ紙を傘に張るだけでなく、先へ行くほど狭くなる骨間に紙をたたみこまなければいけません。その際、できるだけ紙にしわを寄らせずに、美しい円筒形に傘を閉じられるように配慮します。傘は何十回、何百回と雨に濡れ、閉じたり開いたりするので、紙が破れたり骨から浮き上がったり、形が崩れたりしないようにするには、熟練の技が要求されます。仕上げ師は、張り上がった傘に油を塗り、天日で乾燥させます。この時、油が多過ぎると紙がくっついて傘が開かなくなりますし、少な過ぎると雨もりをしてしまいます。数日して傘が干し上がると、骨の上に漆 (カシュー)を塗ります。細い骨の上だけに素早く漆を引くにはまさに職人芸が要求されます。このほかにも、削りあがった骨を釜茹でにして赤茶・黒などそれぞれの傘に合った色に染める骨染め、親骨と小骨、ろくろと親骨、ろくろと小骨をそれぞれ糸でつなぎあわせて一組の骨組みにするつなぎ、ばらつきのある手漉きの和紙を同じ厚さのものに選り分ける紙より、できあがった傘の内側に飾り糸をかけるかがりなど、目立たないながら非常に手間のかかる工程がたくさんあります。 皮肉なことに、余りにも多くの多種多様な工程があるために一本の傘を一人で作り上げるのは至難のわざで、後継者育成の妨げともなっています。ショッピングコーナー「和傘」ショッピングコーナー「番傘」ショッピングコーナー「装飾用ミニ傘(和傘セット)」ショッピングコーナー「装飾用ミニ傘(日本セット)」ショッピングコーナー「装飾用ミニ傘(浮世絵セット)」ショッピングコーナー「装飾用ミニ傘(花柄セット)」
藤沢 健一(フジサワ ケンイチ)株式会社マルト藤沢商店 代表岐阜市和傘振興会会長創業75年の和傘製造業の代表を務める。日本の伝統文化の一つである和傘の技術を伝え広めるべく、精力的に活動する。